| 辨 | アスナロ属 Thujopsis(羅漢柏 luóhànbă 屬) は1属1種。 
 アスナロ(アスヒ・ヒバ) T. dolabrata
 ヒノキアスナロ(ヒバ・アテ) var. hondai
 
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      | ヒノキ科 Cupressaceae(柏 băi 科)については、ヒノキ科を見よ。 | 
    
            | 訓 | 『言海』「あすはひのき」に、「〔明日(アス)ハ檜(ヒノキ)ニ爲(ナ)ラムノ意ト云、故ニ、明日(アス)爲(ナ)ラウトモ云〕・・・略シテ、アスハ、アスヒ、又、アスナラウ。常ニ檜葉(ヒバ)トモイフ」と。 「和名あすなろハ明日(あす)ひのきト爲ランノ意、あすひハ其略ナリ、ひば卽チ檜葉ハひのき葉ノ短縮セシ者ナルベシ、あてハ蓋シ當てニテ物ヲ截ルニ此木ヲ當テ臺ニ利用セシニ基因せし乎」(『牧野日本植物圖鑑』)。
 「アスナロ,アスヒの名は,ヒノキに似ているが,材質が多少劣るので,明日ヒノキになろうという願望を意味するといわれる」(『日本の野生植物 木本『改訂新版
            日本の野生植物』』)。
 下記するように、『枕草子』にすでに「あすはひの木」が記されている。
 
 ただし、アスナロを「明日はヒノキになろう」の意とするのは俗解、したがって「翌檜」の字も当字、とする説もある。
 「〔日本名〕は「明日(あす)ヒノキとなろう」という意味をもっているというのは俗解で,アスヒがもとの名と思われるが,ヒはヒノキ,アスは意味がわからない。或はアテと通ずるものがあるかも知れぬ」(『改訂増補 牧野新日本植物圖鑑』)。
 「樹形がヒノキに似ており、「明日(あす)は檜(ひのき)になろう」の意から名付けられたという俗説がある」(『日本国語大辞典 第二版』)。
 
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            | 『言海』に、「ひば(檜葉) (一)柏(ヒノキ)類ノ總名。(二)今、又アスハヒノキ、アスナラウ。」と。 | 
          
      | 説 | 日本特産。(ただし化石は外国にもある)。 埼玉では準絶滅危惧(NT)。
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      | 誌 | 清少納言『枕草子』第40段「花の木ならぬは」に、「あすはひの木、この世にちかくもみえきこえず。みたけ(御岳)にまうでて帰りたる人などのもてく(来)める、枝ざしなどは、いとて(手)ふれにくげにあら(荒)くましけれど、なにの心ありて、あすはひの木とつけけむ。あぢきなきかねごと(予言)なりや。たれにたのめたるにかとおもふに、きかまほしくをかし。」と。 | 
    
      | 『花壇地錦抄』(1695)巻三「冬木之分」に、「あすならふ 云々」と。 | 
    
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            | さびしさや華のあたりのあすならふ
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            | (芭蕉,1644-1694。「あすは檜の木とかや、谷の老木のいへる事あり。きのふは夢と過て、あすはいまだ来らず。たゞ生前一樽のたのしみの外に、あすはあすはといひくらして、終に賢者のそしりをうけぬ」) |  | 
    
      | 石川県の県木。 |