いちょう 

学名  Ginkgo biloba
日本名  イチョウ
科名(日本名)  イチョウ科
  日本語別名  ギンナンノキ、チチノキ(乳木)
漢名  銀杏(ギンキョウ,yínxìng)
科名(漢名)  銀杏(ギンキョウ,yínxìng)科
  漢語別名  公孫樹(コウソンジュ,gōngsūnshù)、鴨脚(オウキャク,yājiăo)、白果(ハクカ,báiguŏ,びゃくか)
英名  Maidenhair tree, Ginkgo, Chinese silver fruits tree
2006/04/06 小石川植物園
2009/04/18 栃木県那須町芦野
2023/06/20 小石川植物園 
2005/09/04 昭和公園 2005/09/23 同左
2006/11/19 山梨市

2013/11/21 京都御苑

2009/11/27 京都市上京区 街路樹
2007/04/10 小石川植物園
 イチョウ科 Ginkgoaceae(銀杏 yínxìng 科)は、イチョウ属 Ginkgo(銀杏 yínxìng 屬)イチョウ G.biloba(銀杏・公孫樹)の一属一種のみ。
 裸子植物については、裸子植物を見よ。
 漢名の銀杏(ギンキョウ,yínxìng)は、その実の色から。鴨脚(オウキャク,yājiăo)は葉の形から。
 [なお、杏 xìng は、漢音は キョウ、呉音は ギョウ、唐宋音は アン。義はアンズ。]
 公孫樹(コウソンジュ,gōngsūnshù)は、祖父が植えても その孫の代に初めて実が生る、というところから。  
 「いてふ 〔一葉(イチエフ)ノ約ト云〕」(『言海』)。
 「和名いちゃうハ鴨脚ノ中國宋代ノ音なりと大槻博士ノ大言海ニ謂ヘリ」(『牧野日本植物圖鑑』)。
 チチノキは、気根が乳房のように垂れ下がることから。
 また 種子をギンナンというのは、銀杏の唐音ギンアンから。   
 小野蘭山『本草綱目啓蒙』26銀杏に、「イチヨウ木ノ名 ギンナン実ノ名、即銀杏ノ唐音ナリ ギナン筑前」と。
 英名 Maidenhair tree は、黄葉を若い女性の金髪になぞらえて。
 属名の Ginkgo は、銀杏の漢音の転訛。
 種小名は、「二浅裂の」の意、葉の形から。ただし、現実には イチョウの葉の形は変異が多い。
 中国原産。浙江西天目山・重慶金仏山に自生品がある。
 日本には、室町時代以前に(一説に仏教渡来と共に)中国から持ち込まれた。
 雌雄異株。
 明治29(1896)年9月、東京大学理科大学植物学教室に勤めていた画家平瀬作五郎は、イチョウの精子を発見した。のち明治45(1912)年、平瀬は帝国学士院恩賜賞を受賞。
 中国では、種子を白果(ハクカ,báiguŏ,びゃくか)と呼び、葉を銀杏葉と呼び、薬用にする。『中薬志』Ⅱpp.91-93・Ⅲpp.296-297 『(修訂) 中葯志』III/295-297,V/135-138 『全国中草葯匯編』上/801-802 
 実をぎんなん(銀杏)・乳の実と呼び、食用にする。 

   銀杏踏でしづかに児
(ちご)の下山哉 (蕪村,1716-1783)
   稚子
(をさなご)の寺なつかしむいてう哉 (同)
 
 
  薄田泣菫「公孫樹下にたちて」(1902,『二十五絃』)


     きつぱりと冬が來た
     八ツ手の白い花も消え
     公孫樹
(いてふ)の木も箒になつた
     きりきりともみ込むやうな冬が來た ・・・
         
高村光太郎「冬が来た」(『道程』1914)より

  いてふの実の白きを干せる日の光うつろふまでに吾は居りにき
     
(1931,斎藤茂吉『石泉』)
 
 東京都のマークはイチョウの葉(裂け目のない扇形)のデザイン。

2005/05/26 跡見学園女子大学新座キャンパス

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