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かつてセンノウ属 Lychnis(剪秋羅 jiănqiūluó 屬)が立てられ、北半球に約25種が認められていたが、今はナンバンハコベ属 Cuubalus(狗筋蔓 gŏujīnmàn 屬)、ビランジ属(フシグロ属) Melandryum などとともにマンテマ属 Silene(蠅子草 yíngzĭcăo 屬)に含めるようだ。
因みに、旧センノウ属 Lychnis(剪秋羅 jiănqiūluó 屬)には、次のようなものが含まれていた。
マツヨイセンノウ L. alba(白花蠅子草)
タカネマンテマ L. apetala(Gastolychnis apetala;無瓣蠅子草)
アメリカセンノウ L. chalcedonica(皺葉剪秋羅・皺葉剪夏羅)
コムギセンノウ L. coelirosa(紅藍蠅子草)
チョウセンマツモト L. cognata(淺裂剪秋羅・剪秋羅・毛緣剪秋羅)
スイセンノウ L. coronaria(毛剪秋羅)
ガンピセンノウ L. coronata(剪春羅・剪夏羅)
クルマガンピ var. verticillata
アケボノセンノウ L. dioica(紅剪秋羅・朝鮮剪秋羅)
カッコウセンノウ L. flos-cuculi(布谷剪秋羅)
エゾセンノウ L. fulgens(剪秋羅)
オトメセンノウ L. × haageana
オグラセンノウ L. kiusiana
フシグロセンノウ L. miqueliana(女婁菜剪秋羅)
シロガネセンノウ f. argyrata
ザクロガンピ f. plena
センノウ L. senno(剪紅紗花・剪秋羅)
シベリアセンノウ L. sibirica(林奈蠅子草・狹葉剪秋羅)
マツモトセンノウ L. sieboldii(狹葉剪秋羅)
センジュガンピ L. stellarioides(L.gracillima f.rosea, L.gracillima)
エンビセンノウ L. wilfordii(絲瓣剪秋羅)
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マンテマ属 Silene(蠅子草 yíngzĭcăo 屬)については、マンテマ属を見よ。
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「仙翁花。嵯峨仙翁寺、始めて此の花を出だす、故に仙翁花と云う」(『下学集(1444)』)。
「和名仙翁ハ此草原ト山城嵯峨ノ仙翁寺ニ出ヅルヲ以テ此ク云フ」(『牧野日本植物図鑑』)。
ただし室町時代に栽培されていた仙翁花と今日のセンノウとの関係は不明。
また、今日嵯峨鳥居本仙翁町附近で栽培されている「仙翁花」は、フシグロセンノウまたはマツモトセンノウ(或は江戸時代に作られたその園芸品種)だという。
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ガンピは、本種やガンピセンノウ Silene banksia(剪春羅)の旧称だが、「和名がんぴハ其意不明ナリ」(『牧野日本植物図鑑』)という。
岩菲(巖菲)という漢字表記はおよそ日本語らしくないが、今のところ漢語にも見出しえていない。 |
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『大和本草』に、「剪春羅(ガンヒ) ・・・花ノ端、人力ニテ剪タル ツクリ花ノ如シ」と、「剪秋羅(センヲウ) ・・・剪春羅ト一類ニテ別ナリ、ガンヒヨリ花マサレリ・・・センヲウハ嵯峨ノ仙翁寺ヨリ出タルユヘ名ツクト云、仙翁寺今ハナシ」と。 |
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長江流域に分布し、野生し或は栽培されるという(『中国高等植物図鑑』)。
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日本には 14c.半ばころ現れ(『愚管記』)、爾来観賞用に広く栽培。
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