| 辨 | エンドウ属 Pisum(豌豆 wāndòu 屬)には、地中海地方・西アジアに1-3種がある。 
 エンドウ P. sativum(Lathyrus oleraceus;豌豆・胡豆・戎菽)
 アカエンドウ var. arvense(P.arvense) 花は紅色、莢は硬く、豆は褐色。
 シロエンドウ var. hortense 花は白色、莢は柔らかく、豆は白色。
 var. elatius 地中海沿岸・西アジア産
 サヤエンドウ var. macrocarpon
 ツタンカーメンのエンドウ 'Pea of Tutankhamen' 莢は紫色
 
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            | 東アジアで栽培されている食用のマメについては、まめを見よ。 | 
          
            | マメ科 Leguminosae(Fabaceae;豆 dòu 科・荳科)については、マメ科を見よ。 | 
          
            | 訓 | 和名は漢名豌豆(ワントウ,wāndòu)の音。 漢名の豌は、丸い豆。
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            | 『倭名類聚抄』野豆に、『本草疏』の「豌豆、一名野豆」を引き、「和名乃良末女」と。ただし、このノラマメはツルマメを指すものか。 | 
          
            | 属名は、ラテン語の「エンドウ」。英語の pea と同一語源という。 | 
          
            | 説 | 起源については諸説があるが、中近東・地中海地方原産の栽培種。 スイスで発見された炭化種子は、B.C.7000のもの。
 ギリシア・ローマで既に栽培していた。
 
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            | 栽培過程の中で、野菜用・種子用・飼料用などに分化した。 最近、未熟な莢を食用にする var.macrocarpon, var.saccaratum が普及してきた。
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            | 中国には、5世紀に入る。 日本には、『倭名類聚抄』にノラマメとして載るものがエンドウだとすれば、9-10世紀までに入ったことになる。ただし一説に、エンドウは中国経由で江戸時代に入ったとする。
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            | 誌 | アカエンドウ・シロエンドウの完熟した種子をえんどうまめ(豌豆豆)と呼び、食用にする。 また、シロエンドウの嫩莢をさやえんどう(莢豌豆)、熟する前の柔らかい豆をグリーンピース green peas(靑豌豆・生豆)と呼び、食用にする。
 中国では、嫩枝・嫩葉を豆苗(トウビョウ,dòumiáo,とうみょう)と呼び、蔬菜とする。
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            | 豌豆飯は、夏ならば生豆を米と共に炊き上げる。他の季節ならば、乾豌豆を二日ほど水につけてふやかし、更に水煮にして柔らかくし、飯を塩味にして炊き、「じやじやの時分に豆をいれ」、よく蒸らしてかき混ぜる。(本山荻舟『飲食事典』) | 
          
            | メンデル(1822-1884)は、エンドウを用いて遺伝の法則を発見した。 |