ひま (蓖麻) 

学名  Ricinus communis
日本名  ヒマ
科名(日本名)  トウダイグサ科
  日本語別名  トウゴマ(唐胡麻)、カラエ、カラガシワ
漢名  蓖麻(ヒマ,bìmá)
科名(漢名)  大戟(タイゲキ,dàjĭ)科
  漢語別名  伊蘭(イラン,yilan)・伊羅(イラ,yiluo)
英名  Castor bean
2005/08/05 東大農園

2010/10/16 薬用植物園 (観賞用品種 'カルメンシータ')

2007/05/08 小石川植物園  2007/06/19 同左

 葉・茎が赤く色変りしたものを鑑賞する品種ミズマがある。
 トウゴマ属 Ricinus(箆麻 bìmá 屬)は、1属1種。
 トウダイグサ科 Euphorbiaceae(大戟 dàjĭ 科)については、トウダイグサ科を見よ。
 「和名ハ唐胡麻ニシテ唐ハ支那ヨリ來タリシ意、胡麻ハ其種子ニ基ク」(『牧野日本植物図鑑』)。  
 深江輔仁『本草和名』(ca.918)萆麻に、「和名加良加之波」と。
 源順『倭名類聚抄』
(ca.934)萆麻に、「和名加良可之波、一云加良衣」と。
 小野蘭山『本草綱目啓蒙』13(1806)箆麻に、「カラヱ
和名鈔 カラガシハ同上 トウゴマ今名 トウノゴマ 遠近子実名。和方書」と。
 漢名は、「葉は大麻に似て、子(種子)の形は宛も牛の蜱(だに)の如し、故に名づく」と(本草綱目)
 属名は「ダニ」、種子の形から。
 サンスクリット名はエーランダ eranda、伊蘭(イラン,yilan)・伊羅(イラ,yiluo)と音写する。
 熱帯アフリカ原産、古代エジプトでは約6000年前から利用。今日の主産地はインド。
 日本には9-10世紀頃中国から入り、カラカシワと呼ばれた
(『倭名類聚抄』)。文久3年(1863)アメリカから新種を導入。明治10年(1877)ころから千葉県で栽培、ヒマシ油を製造した。
 種子を蓖麻子(ヒマシ,bimazi)と呼び、薬用・食用にする。『中薬志Ⅱ』pp.443-445
 また種子から採った油を蓖麻子油
(ひましゆ)と言い、薬用(峻下剤)・化粧品用・工業用などにするに用いる(日本薬局方)ほか、印肉に入れる。
 エジプトでは6000年前の遺跡から種子が出土している。
 仏教経典では 悪臭を放つ毒草。芳香を放つ栴檀(せんだん,ビャクダン)と対比する。
 父殺しの大罪を悔い、釈尊によって救われたアジャータシャトル(阿闍世)王の言葉に、「我世間を見るに、伊蘭子
(子は実,種)より伊蘭樹を生ず。伊蘭子より栴檀を生ずるを見ず。我今始めて伊欄子より栴檀樹を生ずるを見る。伊蘭子とは、我が身是なり。栴檀とは、即ち是れ我が無根の信なり」と(『大乗大般涅槃経』)

   道のべに蓖麻の花咲きたりしこと何か罪ふかき感じのごとく
     
(1946,齋藤茂吉『白き山』)
 



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