くわい 

学名  Sagittaria trifolia 'Caerulea' (S.trifolia var.edulis)
日本名  クワイ
科名(日本名)  オモダカ科
  日本語別名  ツラワレ
漢名  慈姑(ジコ,cígū)
科名(漢名)  澤瀉(タクシャ,zéxiè)科
  漢語別名  茨菰(シコ,cígū)
英名  Arrowhead, Swamp potato

2023/05/25 神代植物公園 (水生植物園) 
2005/08/04 薬用植物園
『中国本草図録』Ⅴ/2385参照
 クワイには、青グワイ・白グワイ・吹田グワイの3品種がある。
 オモダカ属 Sagittaria(慈姑 cígū 屬)については、オモダカ属を見よ。
 和名のクワイの語源についての諸説は『日本国語大辞典 第二版』を参照。
 牧野の説は、「和名くわゐハ按ズルニ蓋シ食ヒ得ベキゐ(燈心草)ノ意ニシテ元來ハ今日謂フくろぐわゐ(かやつりぐさ科)ノ名ナリシナラン、而シテ後之レガ慈姑ノ名ニ轉用ナサレシナラン乎、くわゐヲ葉形ニ基キ嚙ヒ破レ葉ノ義ニ採ルハ中ラズト考フ」(『牧野日本植物図鑑』)。
 古来和語でクワイと呼んだものに2種ある。
   くわい
(白ぐわい): 漢名を慈姑(ジコ,cígū)というもの、ここにいうクワイ
   黒ぐわい: 漢名を烏芋(ウウ,wūyù)というもの、すなわちカヤツリグサ科の
         オオクログワイ Eleocharis tuberosa の根茎
          
(正確にはその日本における代用品 クログワイ E. kuroguwai の根茎)
 深江輔仁『本草和名』(ca.918)烏芋に、「和名於毛多加、一名久呂久和為」と。
 源順『倭名類聚抄』
(ca.934)に「蘇敬本草注云、烏芋、〔和名久和井〕、生水中沢潟之類也」と。
 小野蘭山『本草綱目啓蒙』
(1806)29慈姑に、「クワヰ和名鈔 クワヱ シログワヰ ツラワレ越前」と。クログワイの訓をも参照。
 漢名慈姑(ジコ,cígū)は、「一根 歳に十二子を生ず。慈姑の諸子を乳(ハグク)むが如し。故に以て之に名く。茨菰に作るは非なり」(『本草綱目』)。
 中国原産、野生のオモダカから作られた栽培植物。地下の塊茎を食用とし、中国・日本で栽培する。
 日本への渡来時期は不明。
 今日では、クワイの主産地は埼玉県、全国の80%を生産する。
 宮崎安貞『農業全書』(1697)巻5に、栽培法を詳論する。
 クログワイは生食できるが、クワイはタンニンによるえぐみがあり、生食できない。灰汁で煮て、えぐみを取る。
 正月のお節料理にクワイを用いるのは、「めが出るように」との縁起担ぎから。

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