辨 |
ジュズダマ属 Coix(薏苡 yìyĭ 屬)には、約5種がある。
C. aquatica(水生薏苡)
ジュズダマ C.lacrima-jobi(薏苡)
オニジュズダマ var. maxima
ハトムギ var. ma-yuen(C.ma-yuen, C.chinensis;
薏苡・川穀・苡米・綠穀・回回米・馬圓薏苡)
C. puellarum(小珠薏苡)
C. stenocarpa(窄果薏苡) |
イネ科 Poaceae(Gramineae;禾本 héběn 科)については、イネ科を見よ。 |
訓 |
和名は、その実で数珠をつくることから。
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深江輔仁『本草和名』(ca.918)薏苡子に、「和名都之太末」と。
源順『倭名類聚抄』(ca.934)薏苡に、「和名豆之太万」と。
小野蘭山『本草綱目啓蒙』19(1806)薏苡仁の条に、「一種ジユズダマ、一名ヅシダマ和名鈔 スゝダマ豫州 ズズゴ東国 ハチゴク上総 スダメ三州 スゞダマ阿州 スゞダマ新校正」と。 |
ラテン名の lachryma-jobi は、『旧約聖書』ヨブ記にちなみ「ヨブの涙」、その実の垂れるさまから(英名も同)。 |
説 |
東南アジア原産、中国以南には野生する。日本のものは、栽培品の野生化。 |
「ハトムギは一年生で種子の殻は薄いが、近縁のジュズダマは多年生で種子の殻は厚い。ジュズダマは根栽文化の伝播したところはポリネシアの東半分を除いてはたいてい伝播したが、この種子は食べることもできるが、むしろ首かざりの材料、おもちゃといった用途が大きく、生じ方はレリクト・クロップの生態である。ところがハトムギはなかなかすぐれた農作物で、栽培品種はおどろくばかり変異に富んでいる。・・・」(中尾佐助『栽培植物と農耕の起源』) |
誌 |
実を川穀(センコク,chuangu)といい、ハトムギの代用として薬用にする。また根は川穀根と呼ぶ。 |