辨 |
多くの栽培品種がある。
マメトマト(チェリートマト) var. cerasiforme など |
トマト属 Lycopersicon(蕃茄屬)は、南アメリカ西部からガラパゴス諸島に9-10種が分布する。果実は有毒なものが多い。
L. cheesmanii
L. chilense 果実は緑色
トマト L. esculentum(E.Tomato)
var. cerasiforme 果実は食える。栽培トマトの原種
L. hirsutum 果実は緑色
L. pervianum 果実は緑色
フサスグリトマト(カラントトマト) L. pimpinellifolium(E.Red currant,
Grape tomato) 果実は赤色 |
ナス科 SOLANACEAE(茄科)については、ナス科を見よ。 |
訓 |
英名は、一説にメキシコ原住民による tomati から、或はペルー語の tomate から。
一説に、古フランス語・古スペイン語のトマテ(「膨らむ果実」)から。 |
イタリア語名はポモドーロ pomodoro、「金のリンゴ」の意。 |
属名は「狼の桃」、果実の色が血を思わせることから。種小名は「食用の」。 |
説 |
南アメリカアンデス地方(西斜面のペルー・エクアドル地方)原産、一説に栽培化された場所はメキシコ・中央アジア。広く世界の熱帯・温帯で栽培されている。
16世紀にヨーロッパに持ち込まれ、はじめは有毒果実と誤られたこともあり、観賞用に栽培。
18世紀中葉から主にイタリアで蔬菜として食用に供され、19世紀にイタリア・アメリカで普及、20世紀に入ると広く大衆化した。 |
中国文献では『広群芳譜』(1708)に「蕃柿」として初見。
日本文献では貝原益軒(1630-1714)『大和本草』(1709)に「唐がき」として初見。日本では初めは観賞用。食用にされたのは、明治時代に北海道に新品種(9品種)が導入されてから後であり、普及したのは昭和に入ってから。中国でも、一般に栽培されるようになったのは日本と同じ頃であろうという。 |
誌 |
驚きて猫の熟視(みつ)むる赤トマトわが投げつけしその赤トマト
見れば乞食(かたゐ)は腐れ赤茄子(トマト)をかいつかみ
ひたぶる泣きて食(くら)ふなりけり
(北原白秋『桐の花』1913)
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