りんどう (龍膽・竜胆) 

学名  Gentiana scabra var. buergeri subvar. orientalis
日本名  リンドウ
科名(日本名)  リンドウ科
  日本語別名  
漢名  龍膽(リョウタン,lóngdăn,りんどう)
科名(漢名)  龍膽(リョウタン,lóngdăn)科
  漢語別名  龍膽草、草龍膽、膽草
英名  
2007/04/12 明治薬科大学薬草園
2006/10/28 薬用植物園

2021/10/29 薬用植物園

 リンドウ科 GENTIANACEAE(龍膽 lóngdăn 科)には、世界に約80-100属 約700-1700種がある。

  Canscora(穿心草屬)
 旧世界の熱帯に約15-30種
    C. lucidissima(穿心草・串錢草)
広西・貴州産 → Phyllocyclus lucidissimus
    C. andrographioides(C.melastomacea;羅星草)
         両広・雲南・インドシナ・マレー半島・アッサム産 『中国本草図録』Ⅸ/4294

  ベニバナセンブリ属 Centaurium(百金花屬) 歐亞に約20-40種
    ベニバナセンブリ C. erythraea(C.minus)
 北アフリカ・歐洲・西&中央アジア産
    C. pulchellum(美麗百金花)
      コゴメセンブリ
(マンシュウセンブリ) subsp. meyeri(var. altaicum, C.meyeri;
         百金花)
華北・東北・西北・華東・両広・インド・ロシア
    ハナハマセンブリ C. tenuiflorum
地中海地方・西アジア産

  サンプクリンドウ属 Comastoma(喉毛花屬)
 北半球に約15種
    C. pulmonarium
      subsp. pulmonarium(Gentiana takedae;喉毛花・喉花草)
         
山西・陝甘・青海・四川・雲南・チベット・モンゴル・南シベリア産
         『中国本草図録』Ⅷ/3738・『雲南の植物』174
      サンプクリンドウ subsp. sectum(Gentiana takedae var.secta,
         Gentianella secta)
八ヶ岳・赤石山脈産
    C. traillianum(高杯喉毛花・中甸喉毛草)
         四川・雲南産 『中国本草図録』Ⅷ/3739・『雲南の植物』174

  Crawfurdia(蔓龍膽屬) 中国南部・ヒマラヤに約15-20種
    C. campanulacea(雲南蔓龍膽・蜂糖草)
『中国本草図録』Ⅴ/2248
         雲南・ヒマラヤ・インドシナ産
    C. speciosa(穗序蔓龍膽)
チベット・ヒマラヤ・ベトナム産 『週刊朝日百科 植物の世界』3-46

  トルコギキョウ属 Eustoma(洋桔梗屬)
南北アメリカに2-3種
    トルコギキョウ E. russellianum(E.grandiflorum(洋桔梗・草原龍膽)
 北米産

  ベニヒメリンドウ属 Exacum(藻百年屬)
      incl. Cotylanthera

  モクベンケイ属 Fagraea(灰莉屬)
アジア・太平洋の熱帯・亜熱帯に約5種
    ナガミモクベンケイ F. berteroana
ニューギニア・太平洋諸島に産
    モクベンケイ F. ceilanica(F.sasakii;灰莉)
臺灣・海南島・両広・雲南・南&東南アジアに産

  リンドウ属 Gentiana(龍膽屬)
      incl. Ciminalis, Dasystephana, Gentianodes

  チシマリンドウ属 Gentianella(假龍膽屬)
アフリカ以外の世界の温帯に約120-260種
    オトメリンドウ g. acuta
    G. amarella
      subsp. acuta(G.;尖葉假龍膽・苦龍膽)
         
華北・東北・シベリア・内外蒙古・極東ロシア・北米に産 『中国本草図録』Ⅸ/4295
      オノエリンドウ subsp. takedae(G.takedae, Gentiana takedae)
         
北海道・本州中部産
      ユウバリリンドウ subsp. yuparensis(G.yuparensis, Gentiana yuparensis)
         
北海道産
    チシマリンドウ G. auriculata(Gentiana auriculata)
         
北海道・極東ロシア・アラスカ産
    ヤチリンドウ G. sugawarae
樺太産

  チチブリンドウ(タカネリンドウ)属 Gentianopsis(扁蕾屬)
北半球に約24-25種
    ヒゲリンドウ G. barbata(Gentiana barbata;扁蕾)『中国本草図録』Ⅵ/2786Ⅷ/3748
    チチブリンドウ
(ヒロハヒゲリンドウ) G. contorta(Gentiana contorta,
         Gentianella contorta;廻旋扁蕾)
         
本州(秩父・赤石山脈・伊吹山)・朝鮮・遼寧・西南・チベット・ヒマラヤ産
    G. grandis(大花扁蕾) 四川・雲南産 『中国本草図録』Ⅷ/3749
    エダウチヒゲリンドウ G. komarovii
    G. paludosa(濕生扁蕾) 『中国本草図録』Ⅷ/3750
         華北・内蒙古・西北・西南・チベット・ヒマラヤ産
    G. yabei
      シロウマリンドウ
(タカネリンドウ) var. yabei(Gentiana yabei)
      アカイシリンドウ var. akaisiensis(G.furusei)

  ハナイカリ属 Halenia(花錨屬)

  Latouchea(匙葉草屬)
1種
    L. fokienensis(匙葉草)
福建・湖南・両広・西南産

  ヒメセンブリ属 Lomatogonium(肋柱花屬)
 北半球の温帯・亜寒帯に約18-20種がある
    ヒメセンブリ L. carinthiacum(Swertia carinthiaca;肋柱花)『雲南の植物』178
         
八ヶ岳・赤石山脈・華北・西北・西南・チベット・ヒマラヤ・
         ・南シベリア・カフカス・アルプス産
    タイワンヒメセンブリ L. chilaiense
    L. oreocharis(圓葉肋柱花・大花側蕊) 雲南・チベット産 『中国本草図録』Ⅷ/3751
    サワセンブリ L. rotatum(輻狀肋柱花)
華北・東北・西北・西南・北半球亜寒帯・ロッキー産

  Megacodon(大鐘花屬)
中国西南・ヒマラヤに2種
    M. stylophorus(大鐘花)
四川・ウンナン・チベット・ヒマラヤ産
          
 『週刊朝日百科 植物の世界』3-35・『中国本草図録』Ⅷ/3752・『雲南の植物』179

  Phyllocyclus(穿心草屬)
中国南部・インドシナに約5種

  ホソバノツルリンドウ属 Pterygocalyx(翼萼蔓屬)
 1種
    ホソバノツルリンドウ P. volubilis(翼萼蔓)
北海道・本州・四国・朝鮮・
         
華北・東北・内蒙古・陝西・青海・湖北・西南・チベット・臺灣・極東ロシア産

  シマセンブリ属 Schenkia
歐亞・アフリカ・濠洲・ハワイに5-6種
    シマセンブリ
(ホウライセンブリ) S. japonica(Centaurium japonicum,
         C.spicatum subsp.japonicum;日本百金花)
琉球・臺灣産
    ホザキセンブリ S. spicata(Centaurium spicatum;穗状百金花)
         
地中海地方・西&中央アジア産

  Sebaea(小黃管屬)
熱帯アフリカ・イエメン・ヒマラヤ・中国西南・濠洲に約50-100種
    S. microphylla(小黃管)
雲南・ヒマラヤ・インド・イエメン・熱帯アフリカ産

  センブリ属 Swertia(獐牙菜屬)

  ツルリンドウ属 Tripterospermum(雙蝴蝶屬)

  Veratrilla(黃秦艽屬)
    V. baillonii(黃秦艽・滇黃芩) 四川・雲南・チベット産
         『中国本草図録』Ⅷ/3757・『雲南の植物』179

  アメリカホウライセンブリ属 Zeltnera(美金花屬)
南北アメリカに約25種
    アメリカホウライセンブリ Z. muehlenberghii 
   
 リンドウ属 Gentiana(龍膽 lóngdăn 屬)には、 世界に約360種がある。
      incl. Ciminalis, Dasystephana, Gentianodes

  チャボリンドウ G. acaulis
  トウヤクリンドウ G. algida (Gentianodes algida;高山龍膽・白花龍膽)
         
『中国本草図録』Ⅳ/1801
         
北海道・本州中部以北・朝鮮・吉林・新疆・シベリア・極東ロシア・北米産
  ヒナリンドウ G. aquatica(G.pseudohumilis;水生龍膽)
         
八ヶ岳・朝鮮・内外蒙古・極東ロシア・シベリア・中央&西アジア・カフカス産
  G. arethusae
    var. arethusae(川東龍膽)
四川産
    var. delicatula(G.heptaphylla;七葉龍膽・細圓裂龍膽・藍龍膽)
          
陝西・四川・雲南産 『雲南の植物』174・『中国本草図録』Ⅷ/3740・3742
  アリサンリンドウ
(ミヤマコケリンドウ) G. arisenensis(阿里山龍膽) 臺灣産
  G. atuntsiensis(阿墩子龍膽)
四川・雲南・チベット産 『雲南の植物Ⅰ』223・『雲南の植物』175
  タイワンフデリンドウ G. bambuseti(竹林龍膽)
 臺灣産
  G. caelestis(G.ampla;天藍龍膽・寛花龍膽) 四川・雲南・チベット産 『雲南の植物Ⅰ』222
  G. cephalantha(頭花龍膽) 広西・西南産 『中国本草図録』Ⅷ/3741
  G. crassicaulis (粗莖秦艽・蘿蔔艽・牛尾艽) 甘粛・青海・西南・チベット産
          
『雲南の植物』176・『中国本草図録』Ⅶ/3301・『週刊朝日百科 植物の世界』3-34
  G. dahurica
    var. campanulata
四川・青海産
    var. dahurica(G.gracilipes;達烏里秦艽)

          
『中薬志Ⅰ』pp.394-399、『中国本草図録』Ⅵ/2784・『中国雑草原色図鑑』159
  G. davidii (五嶺龍膽・簇花龍膽・九頭靑)
華東・湖南・両広産
     ホウライリンドウ var. formosana(臺灣龍膽)
臺灣・福建・広東産
  ハイリンドウ G. decumbens(斜升秦艽)
 内外蒙古・新疆・シベリア・歐洲ロシア東部産
  G. delavayi(微子龍膽)
  四川・雲南産 『雲南の植物Ⅱ』222
  G. depressa(平龍膽)
ヒマラヤ・ネパール・シッキム・チベット産 『朝日百科 世界の植物』203
  G. duclouxii(昆明龍膽) 雲南産 『雲南の植物Ⅱ』222
  G. emodii(扇葉龍膽) チベット・ヒマラヤ産 『週刊朝日百科 植物の世界』3-41
  ニイモトリンドウ G. flavomaculata(黃花龍膽) 臺灣特産 『週刊朝日百科 植物の世界』3-38
  ヨコヤマリンドウ G. glauca(Gentianoides glauca)
         
北海道・シベリア・極東ロシア・アリューシャン・北米西北部に産
  G. haynaldi(G.scariosa;鑽葉龍膽・乾膜葉龍膽) 湖北・青海・西南産 『雲南の植物Ⅰ』225
  マボラスリンドウ G. horaimontana(G.scabrida var.oraimontana;矮玉山龍膽) 臺灣産
  イザワリンドウ G. itzershanensis(伊澤山龍膽)
臺灣産
  リシリリンドウ
(クモマリンドウ) G. jamesii(G.kurilensis, G.nipponica var.kawakamii,
         Gentianodes jamesii;長白山龍膽)
         
北海道・朝鮮北部・遼寧・吉林・千島・樺太・カムチャツカ産
  カンザンリンドウ G. kaohsiungensis(高雄龍膽)
臺灣産
  コヒナリンドウ G. laeviuscula(G.aquatica subsp.laeviuscula)
日光・明石山脈・白山産
  G. loureiroi (華南龍膽・地丁・紫花地丁)
 臺灣・華東・両広産 『中国本草図録』Ⅴ/2249
  ゲンチアナ G. lutea
ヨーロッパ・小アジア原産、黄花。根をゲンチアナ根と呼び、薬用にする。
         『週刊朝日百科 植物の世界』3-40
  オオバリンドウ G. macrophylla (秦艽 qínjiāo・大葉龍膽・西秦艽・蘿蔔艽)
         
華北・陝甘・寧夏・新疆・内外蒙古・極東ロシア・シベリア産
         
『中薬志Ⅰ』pp.394-399、『中国本草図録』Ⅱ0/763・『中国雑草原色図鑑』159
    var. fetissowi(大花秦艽)
華北・陝甘・寧夏・四川産 『中薬志Ⅰ』pp.394-399
  オヤマリンドウ G. makinoi
  マンシュウリンドウ G. manshurica(條葉龍膽・東北龍膽)『中国本草図録』Ⅵ/2785
         
朝鮮・内蒙古・東北・河南・華東・両湖・両広・ロシア沿海に産
  G. microdonta(小齒龍膽) 四川・雲南産 『中国本草図録』Ⅷ/3743
    subsp. omeiensis(G.omeiensis;峨眉龍膽)
 四川産 『中国本草図録』Ⅶ/3302
  G. nanobella(鐘花龍膽・矮美龍膽) 
四川・雲南産 『雲南の植物Ⅰ』222
  ミヤマリンドウ G. nipponica
    ミヤマリンドウ var. nipponica(品藍龍膽)
北海道・本州中部以北に産
    イイデリンドウ var. robusta(G.jamesii var.robusta)
  G. ornata(華麗龍膽)
チベット・ヒマラヤ産 『朝日百科 世界の植物』205
  G. praticola(草甸龍膽)
西南産 『雲南の植物』176
  G. primuliflora(Metagentiana primuliflora;報春花龍膽)
雲南産 『雲南の植物』177
  ヤチリンドウ G. pseudoaquqtica
  G. pubigera(柔毛龍膽) 
四川・雲南産 『雲南の植物Ⅰ』222
  G. purdomii(G.algida var.purdomii;岷縣龍膽) 甘粛・青海・四川産 『中国雑草原色図鑑』158
  G. rhodantha(Metagentiana rhodantha;紅花龍膽・星秀花・小靑魚膽・龍膽草)
          
河南・陝甘・湖北・広西・西南産 『雲南の植物Ⅰ』225
  G. rigescens(G.crassa subsp.rigescens;滇龍膽草・堅龍膽・藍花根) 
         
広西・湖南・西南産 『雲南の植物Ⅰ』225
  G. robusta(粗壯龍膽) チベット・ヒマラヤ産 『中国本草図録』Ⅷ/3744
  G. rubicunda(深紅龍膽) 甘粛・両湖・西南産
         『中国本草図録』Ⅶ/3303・『週刊朝日百科 植物の世界』3-40
  リュウキュウコケリンドウ G. satsunanensis
  リンドウ G. scabra
    トウリンドウ
(チョウセンリンドウ) var. scabra(龍膽 lóngdăn・龍膽草・草龍膽・膽草)
         
朝鮮・中国東北・内蒙古・陝西・華東・両湖・両広・貴州・極東ロシア南部に産
         
『中国本草図録』Ⅴ/2250・『中薬志Ⅰ』pp.126-129
    リンドウ  var. buergeri(G.scabra var.orientalis)
    キタダケリンドウ var. kitadakensis(G.kitadakensis)
赤石山脈北岳産
  ニイタカリンドウ G. scabrida(G.taiwanica;玉山龍膽)
臺灣産
  ナツリンドウ G. septemfida(西亞龍膽) 小アジア・イラン原産
  アサマリンドウ G. sikokiana(Dasystephana sikokiana)
紀伊半島・四国・九州産
  G. sino-ornata(華麗龍膽)
         
四川・雲南・チベット・ミャンマー産 『雲南の植物』177・『朝日百科 世界の植物』206
  G. siphonantha(管花秦艽)
甘粛・青海・寧夏・四川産 『週刊朝日百科 植物の世界』3-39
  コケリンドウ G. squarrosa(Ciminalis squarrosa;
         鱗葉龍膽・小龍膽・石龍膽) 北海道・本州・四国・九州・朝鮮・
         
・華北・東北・西北・西南・ヒマラヤ・カシミール・内外蒙古・シベリア産 『中国本草図録』Ⅲ/1330
     リュウキュウコケリンドウ var. liukiuensis
琉球産
  G. stipitata(短柄龍膽・雜色龍膽) 青海・四川・チベット・ヒマラヤ産 『中国本草図録』Ⅷ/3745
  G. striata(條紋龍膽) 甘粛・青海・寧夏・四川産 『中国本草図録』Ⅷ/3746
  G. szechenyii(大花龍膽)
 青海・四川・雲南・チベット産 『中国本草図録』Ⅴ/2251
  ミヤココケリンドウ G. takushii
宮古島産
  タロコリンドウ G. tarokoensis(太魯閣龍膽)
臺灣産
  タータカリンドウ G. tatakensis(G.flavomaculata subsp.tatakensis;
         塔塔卡龍膽)
臺灣産
  テンチョウコケリンドウ G. tentyoensis(G.kaoi)
  タイトウリンドウ G. tenuissima
一説に G.yokusai のシノニム
  G. thunbergii
    ハルリンドウ var. thunbergii(G.thunbergii;叢生龍膽)
    タテヤマリンドウ var. minor
      シロバナタテヤマリンドウ f. ochroleuca
  G. tibetica(西藏秦艽)
ヒマラヤ・チベット産 『中国本草図録』Ⅴ/2252
  エゾリンドウ G. triflora
 
    ホソバエゾリンドウ
(トウオヤマリンドウ) var. triflora(三花龍膽)
         
朝鮮・河北・東北・内外蒙古・シベリア・極東ロシアに産
         『中国本草図録』Ⅲ/1331・『中薬志Ⅰ』図87
    エゾリンドウ var. japonica(G.axillariflora, G.uchiyamae, G.jesoana;朝鮮龍膽)
      エゾオヤマリンドウ f. montana
      ホロムイリンドウ f. horomuiensis
  G. urnula(烏奴龍膽)
 青海・チベット・ヒマラヤ産 『中国本草図録』Ⅴ/2253
  ヤクシマコケリンドウ G. yakumontana(G.zollingeri var.yakumontana) 屋久島産
  ヤクシマリンドウ G. yakushimensis(Kudoa yakuahimensis)
 屋久島産
  G. yokusai(灰綠龍膽・龍膽地丁)
         臺灣・華東・広東・両湖・貴州・四川・陝西・山西・河北産 『中国本草図録』Ⅶ/3304
  G. yunnanensis(雲南龍膽) 
中国西南・チベット産 『雲南の植物Ⅰ』225・『中国本草図録』Ⅷ/3747
  フデリンドウ G. zollingeri(筆龍膽) 
   
 今日花屋で切花として売られているりんどうは、エゾリンドウの園芸品。
 漢名龍膽は、「葉は龍葵(イヌホオズキ)の如く、味の苦きは膽の如し。因て以て名と為す」と(李時珍『本草綱目』)
 和名リンドウは、漢名龍膽(竜胆)の呉音リュウダンの転訛。
 深江輔仁『本草和名』(ca.918)龍膽に、「和名衣也美久佐、一名尓加奈」と。
 源順『倭名類聚抄』
(ca.934)龍膽に、「和名衣夜美久佐、一云迩加奈」と。
 小野蘭山『本草綱目啓蒙』9(1806)に、「リンダウ龍膽ノ音転ナリ ニガナ和名鈔 ヱヤミグサ同上 クダニ古歌 オモヒ同上 アゼ桔梗 オコリオトシ播州 サゝリンダウ奥州勢州」と。
 属名 Gentiana は、古代イリュリア Illyria の王ゲンティウス Gentius(ca.500B.C.)に因む。
 彼は はじめてリンドウの薬効を発見したといい、プリニウス
(ca.23-79)は リンドウをゲンティアナと呼んだ。
 本州・四国・九州・奄美・朝鮮・中国東北・内蒙古・陝西・華東・兩湖・兩廣・貴州・ロシア沿海・ハバロフスク・アムール・ザバイカルに分布。
 根茎を薬用にする。
 すなわち 中国では、同属植物のうち、
   トウリンドウ Gentiana scabra(龍膽)
   G. manshurica(條葉龍膽・東北龍膽)
   エゾリンドウ G. triflora(三花龍膽)
の根・根茎を龍膽(リョウタン,lóngdăn,
りゅうたん)と呼び、薬用にする。日本薬局方も同様だが、日本産品は少なく、中国の東北・内蒙古産のものが輸入されている。
 同じく、
   オオバリンドウ G. macrophylla (秦艽・秦糺・大葉龍膽)
   G. crassicaulis (粗莖秦艽)
   G. dahurica (小秦艽)
などの根を、秦艽(シンコウ・シンキョウ,qínjiāo,
しんぎょう・じんぎょう)と呼び、薬用にする。
 同じく、
   G. loureirii (華南龍膽・地丁・紫花地丁)
   コケリンドウ G. squarrosa (鱗葉龍膽・小龍膽・石龍膽)
の全草を、龍膽地丁と呼び、薬用にする。
 これらのほか、各地方により、多くリンドウ属の植物を薬用にする。
 ヨーロッパでは、同属の G. lutea(ヨーロッパ・小アジアに分布する亜高山植物)の根を健胃薬として用いる(日本薬局方のゲンチアナ)。
 日本では、『古今集』巻10物名「りうたんのはな」に、

   我やどの はなふみしだく とりうたん のはなければや ここにしもくる
(紀友則)

 清少納言『枕草子』第67段「草の花は」に、「りんだうは、えだ
(枝)ざしなどもむつかしけれど、ことはな(花)どものみな霜が(枯)れたるに、いとはなやかなる色あひにてさし出でたる、いとをかし」と。
 民子は・・・桐の葉に包んで置いた龍膽の花を手に採って、急に話を転じた。
 「こんなに美しい花、いつ採ってお出でなして。りんどうはほんとによい花ですね。わたしりんどうがこんなに美しいとは知らなかったわ。わたし急にりんどうが好きになった。おオえエ花・・・」
 花好きな民子は例の癖で、色白の顔にその紫紺の花を押しつける。やがて何を思いだしてか、ひとりでにこにこ笑いだした。
 「民さん、なんです、そんなにひとりで笑って」
 「政夫さんはりんどうの様な人だ」
 「どうして」
 「さアどうしてということはないけど、政夫さんは何がなしに龍膽の様な風だからさ」
 民子は言い終って、顔をかくして笑った。
   
(この会話に先だって 正雄は民子を 野菊の花のようだ と言っていたのである。野菊の誌を見よ。伊藤左千夫『野菊の墓』1906)

   男泣きに泣かむとすれば龍膽がわが足もとに光りて居りたり
     
(北原白秋『桐の花』1913)

   露霜をしげみ寒けみ富士見野の龍膽の花紺ならんとす
     
(島木赤彦『馬鈴薯の花』1913)
 

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