辨 |
Actinidia arguta には、次のような種内分類群がある。
サルナシ var. arguta(軟棗獼猴桃)
サビサルナシ f. rufinervis
ウラジロマタタビ var. hypoleuca 本州(関東以西)・四国・九州産
var. nervosa(凸脈獼猴桃)
var. purpurea(紫果獼猴桃)
var. giraldii(陝西獼猴桃)
var. cordifolia(心葉獼猴桃)
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マタタビ属 Actinidia(獼猴桃 míhóutáo 屬)の植物については、マタタビ属を見よ。 |
訓 |
『本草和名』獼獲に、「和名之良久知」と。
『倭名類聚抄』獼猴桃に、「和名之良久知、一云古久波」と。
小野蘭山『本草綱目啓蒙』29 獼猴桃に、「シラクチ和名鈔紀州奥州 コクハ紀州 コクヲウ同上 コクハ南部 ヤマナシ ヤブナシ濃州 チンピラリ上州 リンロク同上 ナシカヅラ薩州 ゴツカウ同上 カナカヅラ藝州広島 ヲモリコブノコ阿州 ニキヤウ羽州」と。 |
説 |
果実は広楕円形、先は尖らない。一部の葉が白変することはない。
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北海道・本州・四国・九州・朝鮮・極東ロシア・遼寧・吉林・黑龍江・華北・山東・安徽・浙江・雲南に分布。 |
誌 |
中国では、シナサルナシの根・果実を獼猴桃(ビコウトウ,míhóutáo)と呼び薬用にし、またサルナシの根・果実を薬用にする。 『全国中草葯匯編』上/795 |
果実は熟せば多汁甘美、生食または果実酒に。「また蔓の根元を切ると甘味のある樹液が多量に出るので、樵夫などはミズツルとよんで飲用にし」たという(本山荻舟『飲食事典』)。
蔓は、腐りにくいので吊橋や筏の材とした。
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